合同式と剰余類

合同式とは、整数の差がある数で割り切れるときに成り立つ数式です。これは数論や暗号理論で重要な概念です。

合同式の基本

合同式は次のように表されます:

\(a \equiv b \pmod{n}\)

ここで、\(a\) と \(b\) は整数で、\(n\) は法と呼ばれる正の整数です。意味は「\(a\) と \(b\) の差が \(n\) で割り切れる」です。

具体例

例1: \(17 \equiv 5 \pmod{12}\)

例2: \(23 \equiv 2 \pmod{7}\)

剰余類

剰余類は全ての整数を法 \(n\) ごとに分類した集合です。

具体例

例: \(n = 3\) の場合の剰余類

つまり、任意の整数は、3つの剰余類 \([0], [1], [2]\) のどれかに属します。

演算規則

合同式にも通常の演算と同様の規則が適用されます。そのため、加減乗除の操作を行うことができます。

具体例

例: \(a \equiv 3 \pmod{5}\) と \(b \equiv 4 \pmod{5}\) のとき

練習問題

次の問題を解いて、合同式の理解を深めましょう:

  1. \(29 \equiv ? \pmod{8}\)
  2. \(56 \equiv ? \pmod{7}\)
  3. \([-15] \pmod{4}\) を求めなさい。
解答を表示/非表示
  1. \(29 \equiv ? \pmod{8}\)
    • \(29 \div 8 = 3\) 余り \(5\)
    • したがって、\(29 \equiv 5 \pmod{8}\)
  2. \(56 \equiv ? \pmod{7}\)
    • \(56 \div 7 = 8\) 余り \(0\)
    • したがって、\(56 \equiv 0 \pmod{7}\)
  3. \([-15] \pmod{4}\) を求める
    • \(-15 \div 4 = -4\) 余り \(1\)
    • したがって、\(-15 \equiv 1 \pmod{4}\)