論理

論理は、正しい推論を行うための学問です。主に、逆、裏、対偶という概念を使って、命題の真偽を推論します。

逆、裏、対偶

命題「もしPならばQ」という形の文を考えます。

命題と対偶は常に同じ真偽値を持ちますが、逆と裏は必ずしもそうではありません。

必要条件と十分条件

「もしPならばQ」の場合、PはQの十分条件、QはPの必要条件です。

対偶による証明

対偶を用いることで、元の命題の真を証明する方法です。

背理法による証明

ある命題の否定から矛盾を導き、元の命題が真であることを示す方法です。

例題

以下の命題について、対偶を用いた証明を示しなさい。

命題:「\(n\)が奇数ならば、\(n^2\)も奇数である。」

解答

命題の対偶:「\(n^2\)が偶数ならば、\(n\)も偶数である。」

証明:

\(n^2\)が偶数ならば、\(n^2 = 2k\) (\(k\)は整数)と表せます。

したがって、\(n = \sqrt{2k}\)です。しかし、偶数の平方根は整数になることはないので、\(n\)は偶数でなければなりません。

従って、命題の対偶が真であるため、元の命題も真です。

練習問題

次の命題の対偶を述べ、背理法による証明を行いなさい。

  1. 命題:「\(x\)が正の整数で、\(x^2\)が偶数ならば、\(x\)も偶数である。」
解答を表示/非表示
  1. 命題の対偶:「\(x\)が奇数ならば、\(x^2\)も奇数である。」

    背理法による証明:

    命題の否定を仮定して、\(x\)が奇数で\(x^2\)が偶数であるとします。\(x\)が奇数ならば、\(x = 2k + 1\) (\(k\)は整数)と表せます。

    したがって、\(x^2 = (2k + 1)^2 = 4k^2 + 4k + 1 = 2(2k^2 + 2k) + 1\)となります。これは\(x^2\)が奇数であることを示しており、矛盾します。

    従って、元の命題が真であることが示されました。