フェルマーの小定理の解説

フェルマーの小定理は数論の基本的な定理の一つで、素数の性質を利用して計算を簡単にするための重要な結果です。

フェルマーの小定理

フェルマーの小定理は次のように表されます:

\(p\) を素数とし、\(a\) を \(p\) で割り切れない整数とすると、次の式が成り立ちます:

\[a^{p-1} \equiv 1 \pmod{p}\]

さらに、一般形として:

\[a^p \equiv a \pmod{p}\]

具体例

例1: \(a = 2\)、\(p = 7\) の場合、\(2^{7-1} = 64\) を計算します:

例2: \(a = 3\)、\(p = 11\) の場合、\(3^{11-1} = 3^{10}\) を計算します:

フェルマーの小定理の応用

フェルマーの小定理は、特にモジュラー逆数を計算するときに役立ちます。

モジュラー逆数とは、ある数 \(a\) に対して、\(a \cdot b \equiv 1 \pmod{m}\) を満たす \(b\) のことです。

具体例

例: 7 の 13 におけるモジュラー逆数を求める:

練習問題

次の問題を解いて、フェルマーの小定理の理解を深めましょう:

  1. \(a = 4\)、\(p = 13\) に対して、\(4^{13-1} \mod 13\) を計算しなさい。
  2. \(a = 5\)、\(p = 17\) に対して、\(5^{16} \mod 17\) を計算しなさい。
  3. \(a = 9\)、\(p = 19\) に対して、\(9^{18} \equiv 1 \pmod{19}\) であることを確認しなさい。
解答を表示/非表示
  1. \(a = 4\)、\(p = 13\) に対して、\(4^{13-1} \mod 13\) を計算する
    • \(4^{12} = 16777216\)
    • 16777216 を 13 で割る:
    • \[16777216 \div 13 = 1290555\] 余り \[1\]
    • したがって、\(4^{12} \equiv 1 \pmod{13}\)
  2. \(a = 5\)、\(p = 17\) に対して、\(5^{16} \mod 17\) を計算する
    • \(5^{16} = 152587890625\)
    • 152587890625 を 17 で割る:
    • \[152587890625 \div 17 = 8975758254\] 余り \[1\]
    • したがって、\(5^{16} \equiv 1 \pmod{17}\)
  3. \(a = 9\)、\(p = 19\) に対して、\(9^{18} \equiv 1 \pmod{19}\) であることを確認する
    • \(9^{18} = 150094635296999121\)
    • 150094635296999121 を 19 で割る:
    • \[150094635296999121 \div 19 = 7902928120899953\] 余り \[1\]
    • したがって、\(9^{18} \equiv 1 \pmod{19}\)